ワークショップ活動

比較優位の都市戦略 ~大阪がとるべき東京一極集中問題への解~

座長:
株式会社グローバルミックス
代表取締役 勝見 博光 氏
■主旨

 経済格差や教育格差の拡大など国の発展を阻害する要因として東京一極集中の弊害が叫ばれて久しいが、集中は市場の生産性を高める効果をもたらし、国際都市間競争や税収効果等の面でいくつかのプラスも存在する功罪半ばする現象である。
 このような現状認識の下、盲目的に一極集中構造の解体を目指し、行政、司法など首都機能の分散や自治体による税制優遇による企業の本社移転など既存機能の移転のみに解決策を頼るのではなく、地域固有の資源(例えば歴史・文化資源や高齢労働者)を活かした首都圏に勝る(首都圏にない)競争力のある産業や空間を構築する比較優位の都市戦略が肝要である。
 このワークショップでは、まず最初に首座都市(人口第一位都市)とほぼ拮抗しながら機能移転ではなく、こういった比較優位の都市戦略で成長する事例の研究を行う。(例えば、オーストラリアのメルボルン、カナダのモントリオール、スペインのバルセロナ。州単位で見ればロサンゼルスに対するサンフランシスコなど)さらに、それぞれの都市戦略を分析、成長のための共通項や方程式を抽出し、大阪市の現状政策と比較しながら、独自の文化や産業に根ざした都市経営に資するための提言を経済分野のみならず、都市空間のデザイン等広い視点からの分析を行う。

■プロフィール

勝見 博光(かつみ ひろみつ)
1991年 株式会社ケイオス設立
2004年 大阪市立大学大学院創造都市研究科都市政策専攻修了
大阪市立大学大学院創造都市研究科博士後期課程単位取得満期退学
2005年 株式会社グローバルミックス設立 代表取締役就任
2009年 大阪市立大学都市研究プラザ 特別研究員
2010年 特定非営利活動法人 依存学推進協議会 理事就任
2014年 IR推進協議会 事務局長就任
2015年 大阪府立大学 客員研究員

主な著書
『都市空間を創造する 越境時代の文化都市論』(共著、日本経済評論社)2006年
『創造都市への展望 都市の文化政策とまちづくり』(共著、学芸出版社)2007年