ワークショップ活動

“なりわい”とランドスケープから探る大阪のまちの文脈

座長:
工学院大学
建築学部まちづくり学科
准教授 篠沢 健太 氏
■主旨

 地球温暖化、生物多様性などの地球環境問題や都市の社会資本形成に対する「企業」の社会的取り組み・努力は、今や公共を補い、時にそれを凌ぐまちづくりへの活力、意欲になりつつある。思えば大阪のまちは、生業(なりわい)と密接に関係し形づくられてきた。商業は言うまでもなく、士農工商すべての産業と土地との関わりが、固有の文化と景観を形成してきた。大坂城築城に伴い地割され屋敷町となった上町台地、その地割を基盤とした明治期の軍事施設や工場。低湿地の新田開発や伝統野菜を育んできた農の風景。川辺、河岸の商工業とまちなみ、生活の風景…。それらは今なお、まちの「文脈」として風景に潜んでいる。
 “なりわい”と風景が生み出す大阪のまちの文脈を探りたい。そのために、まず私たちが日々生活する「会社」の周囲を眺めてみる。「御社はいつ現在の場所に立地し、その前は何があったのですか?周囲のまちとはどのような関係ですか?その跡は現在どのような形でまちに現れていますか?」当然、食や社交、遊興の場との繋がりも見逃せない。最終的には、まちにおける企業のアイデンティティ、まちづくりに関わる立場や「新たな公共」としての責任…などへと議論を発展させたい。詳細については、参加者との話し合いのなかで絞り込んでいく。
 今期もまた、今、ここにあるモノやコトを手がかりとしながら、自然環境を視野に入れた10年後、50年後の長期的な視野のまちづくりの提案へ結びつけられたら、と考えている。

■座長プロフィール

篠沢健太(しのざわけんた)
1967年 神奈川県横浜市生まれ
1990年 東京大学農学部農業生物学科卒業
1992年 東京大学大学院農学系研究科修士課程修了
1995年 東京大学大学院農学系研究科博士課程修了、博士(農学)
1995年〜2001年 大阪芸術大学芸術学部 環境計画学科専任講師
2001年〜2007年 大阪芸術大学芸術学部 環境計画学科助教授
2007年 大阪芸術大学芸術学部 環境デザイン学科 准教授
(2003年より環境デザイン学科に名称変更)  RLA登録ランドスケープアーキテクト
2011年 工学院大学 建築学部まちづくり学科 准教授
 
専門
・ランドスケープデザイン

主な著書
・『緑地環境科学』(共著、朝倉書店)1997年
・『環境デザインの視野-人・都市・自然を学ぶにあたって-』(共著、澪標)2006年