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イベント・行事


活動報告 : 第2回 「CITEトークセッション」
投稿日時: 2009-12-28 11:21:46

 大阪で50年にわたり工業デザインを手掛けてきた吉川博教氏が、時代の苦難を乗り越えるデザイン発想・開発手法、またご自身のデザイナー人生について、様々なエピソードと作品写真で語りました。寒さも一段と厳しい中、詰めかけた20数名の参加者は、時には笑いも交え、熱心に聞き入っていました。主要な論点を<ピックアップ>して紹介します。
 2010年1月14日(月)の第3回は、大手メーカーの社内デザイナー・巽正和氏。トップシェア−を維持しつづける洗濯機・掃除機・アイロン・炊飯器はどのように開発されてきたか、組織のデザイン力が発揮される家電製品開発物語です。ご期待ください。

CITÉトークセッション

デザインから大阪を見つめる。

・・・・都市デザインから生活用品まで・・・・


第2回・2009年12月14日(月)

●大阪のID(工業デザイン)「変革期の時代に柔軟に対応するデザイン発想」●ゲスト:吉川博教氏(ワイエスデザイン取締役相談役、工業デザイナー)
●コーディネーター:菅谷富夫氏(大阪市立近代美術館建設準備室主任学芸員)

<ピック・アップ>
菅谷:私たちは自由に生活し、動き、体を使っているように考えがちですが、実はそうではないように思います。たとえば、机の高さによって体の動かし方が変わる、イスによって座り方が違ってくる。デザインというものが、私たちの生活や生き方を少なからず規定しているのです。そしてそれは、世界中一緒ではなく、国内でも違いがあります。では、大阪に住む私たちの身の回りにあるもののデザインのルーツはどこにあるのでしょうか。
 第1回は「建築」、人が中に入れるデザインからアプローチしましたが、今回は人が手にすることができるデザイン、ID=インダストリアルデザインがキーワードです。大阪で50年にわたって活動し、生活に密着するデザインを手がけてこられた吉川さんをゲストにお迎えし、現在につながるルーツであり、ご自身もひとつの変革期と捉える1960〜80年代についておうかがいします。

吉川:私は堀江生まれの堀江育ち、家業は欄間や指物工芸をつくっていました。戦争前後10年くらいの堀江は、鍛冶屋、漆屋、家具屋、三味線屋など、ものづくりする店がたくさんあって、職人さんのそばにへばりついて仕事をずっと見ていました。道具だけは、ちょっとでも手を出すと怒られましたね。素材や道具を丁寧に扱う職人気質をおのずと仕込まれた、この頃の経験が私のルーツ。インダストリアルデザインの手法は伝統工芸とは全く違いますけれど、ものづくりの基本は同じだと思っています。
 IDデザイナーとしては、私はトランジスタラジオのデザインから出発しています。当時はトランジスタラジオが花形商品で、家電各社とも海外に輸出してヒットを飛ばしていました。次々にモデルチェンジが求められてデザインの現場は多忙を極めました。1960年代はIDにとって夢のある時代でした。そして70年、日本万博に大阪が沸く中、独立してフリーランスとなりました。高度経済成長期の最中、公団住宅の2LDKの住まいとともにイスとテーブルの生活が定着し、あらゆる電化製品、生活用品にデザインが求められるようになって、70年代にIDパワーは最高潮となります。
 ところが、73年に「オイルショック」が起こり、フリーランサーには仕事がぴたっとなくなります。今も経済状態が苦しいと言いますけれど、私の体験からいえばオイルショックの激しさに比べたらずっとましに思えます。石油がなく工場が稼働しない不況の中で、ガソリンが不要な自転車に乗ろうという「バイコロジー運動」が起こりました。リデュース・リサイクル・リユースにつながる活動が生活者に拡がりました。この思潮で落ち着いて来た79年、第2次オイルショックが起こります。再びのエネルギー危機になり、企業では省力化が重視され、自動化機器の開発が進みます。世の中の流れにのって、私たちは各種の自動化機器をデザインすることになり、再び救われました。この流れは、以後鉄道の自動券売機や改札機、銀行のATM化、空港の自動化機器開発などへと続き、IDのフィールドが生活用品から社会機器へと広がって行きましたね。
 そして、90年代にバブル崩壊……。1960〜80年代、それぞれの時代、時代に社会的危機を迎えながらも、企業と共にその危機を乗り越え、デザイン力によって生活も変わっていったと言えます。


<第3回以降のごあんない>
CITÉトークセッション
「デザインから大阪を見つめる。…都市デザインから生活用品まで」
・18:30〜20:30(18:00開場)
・トーク会場=i-spot<淀屋橋odona(オドナ)2階>
・ 定員30名(参加費無料、当日先着順により受付します)

第3回(2010年1月14日(木))ゲスト:巽 正和氏(元松下電器・電化事業本部デザイン部長)
●総合家電メーカーのデザイン発想「関西の生活文化の蓄積がものをいう」

第4回(2月1日(月))ゲスト:桑畑周右氏(京都精華大学非常勤講師、元ダイハツ・カーデザイナー)
●大阪マインドが生きる車づくり「独自のスモールカーデザインを求めて」

第5回(2月25日(木))ゲスト:板倉忠則氏(仮説創造研究所 クリエイティブディレクター)
●ストリート系デザイナーの仕事「街の呼吸を伝える・アメリカ村から大型商業施設まで」

●コーディネーター(毎回)=菅谷富夫氏(大阪市立近代美術館建設準備室 主任学芸員)
●このトークセッションの内容を冊子にまとめ、2010年3月、「CITE文庫」として発行する予定です。

●アクセス→i-spot(アイ・スポット…大阪市中央区今橋4-1-1淀屋橋odona
2階) TEL:06-4866-6803
大阪市営地下鉄御堂筋線「淀屋橋」駅10番出口直結、京阪本線「淀屋橋」駅3番出口から徒歩1分
http://www.city.osaka.lg.jp/keikakuchosei/page/0000018184.html

●お問い合わせ:CITE(シテ)さろん広報委員会
          (財)大阪市都市工学情報センター(担当:北辻・浜田)TEL:06-6949-1910

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