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イベント・行事


活動報告 : 第1回「CITEトークセッション」が開催されました
投稿日時: 2009-12-10 11:53:46

CITÉさろんと都市工学情報センターの共催による「CITÉトークセッション」の第1回が11月26日(木)に開催されました。30数名の参加を得て、船場地区を中心に1960〜80年代の建築空間やデザインについて、機知にあふれた興味深いトークが展開されました。その主要な論点を<ピックアップ>して紹介します。また、当日参加されたCITÉさろん会員からコメントが寄せられていますので、合わせて紹介します。12月14日(月)の第2回以降もご期待ください。


CITÉトークセッション

デザインから大阪を見つめる。

・・・・都市デザインから生活用品まで・・・・


第1回・2009年11月26日(木)

●テーマ=都市のリノベーション「新たな伝統をつくる船場の戦後建築と街並み」
●ゲスト=小浦久子氏(大阪大学大学院准教授:都市計画・都市景観)


●コーディネーター=菅谷富夫氏(大阪市立近代美術館建設準備室 主任学芸員)


<ピック・アップ>
菅谷 2009年の大阪に生きる私たちの、モノの見方、身のこなし、ライフスタイルを規定しているものは何か。何に影響を受けてきたのか。身の回りにあるデザインを掘り下げて考えようという試みです。大正〜昭和初期、産業の中心地として日本一の大都市となった「大大阪」は誇るべき歴史ですが、今の私たちに直結しているのは、戦後復興が落ち着いた1960〜80年代のもの。この時代を振り返ることで、今の大阪に生きる私たちの世界観に大きな影響を与えてきたデザインの力を5回にわたって探っていきます。第1回は、町の雰囲気や人の生活をつくる「建築物」から見つめていきます。

小浦 戦前の近代建築が見直されていますが、1960〜80年代の建築物についてはまだ注目度が低く、今回改めて船場を歩いてたくさんの発見がありました。         
60年代の船場には、戦後復興のなかで町家がビルになっていくという感覚があります。間口が狭く奥行のある町家の敷地に細長いビルが高密度で建ち、1階には商店や事務所、上階やペントハウスに住まいというビルには併用住宅のかたちが継承されていました。大阪万博を経た70年代は、国際ビルをはじめとする高層ビルの時代。80年代は建て替えも起こり、建築物のデザインは多様化していきます。そして現代、古いビルのリノベーションが注目される一方で、超高層マンションが唐突に現れるという状況です。
60年代の小規模ビルの多くは、近世大坂城下町の町割のままで建っています。戦後、複数の町家敷地がまとめられたビルも建ちますが、背割にある太閤下水や近世町割の基本は継承され、船場は今も地べたに歴史の手がかりがあります。また、60年代は結構お金をかけたオーナービルが多く、まちに対する「顔」となる仕事場と通りから見えない住まいがデザインされた小規模ビルには、都市の町並みをつくるビルのかたちが見られます。
今、町をつくっているのは人の思いや営みではなく、経済市場になっているかもしれませんね。建築は私的空間であっても町につながっているという意識をもってほしいです。
最近の近代建築のリノベーションも建築と町の関係を考えるひとつのムーブメント、少しずつですが船場への関心も高まっています。船場の景観は、地べたに残る歴史とそれぞれの時代の営みを受けとめてきた多様な建築物が織りなす文化です。だからこそ、今、次の時代の都市美につながる新しいデザインを生み出すような、大阪で生きる人の暮らし方、遊び方を期待したいです。

<参加者からのコメント>
●清水建設・椎名績氏
船場の建築物は、時代のニーズをとらえた知恵によってデザインされてきた事、そして今、100年後の船場に向かって新しいライフスタイルをデザインするような提案が必要とされている事を勉強させていただきました。

●IAO竹田設計・森山秀二氏
第一回の小浦先生は、お話しのタイトルを『新たな伝統をつくる船場の戦後建築と街並み』とされていましたが、デザインがテーマとなっているトークセッションの中で、小浦先生がどのようなお話をされるのか、非常に興味ありました。
建物は表層のデザインの前に、まず用途をデザインするところから始まり、配置をデザインし、機能をデザインして、最後にカタチがデザインされて、それらすべてがデザインなのだということ、またその行為は同時に都市空間を切り取るという要素の中で、空や緑地など余白をデザインする行為も含んでいるというお話が、とても印象的でした。
また、戦後の船場の建物をいくつかの時代に分けて写真で示されるなかで、建物は敷地という条件によってコントロールされているという時点で『歴史や法律がデザインしている』部分が非常に大きいのだということもよく分かりました。
都市景観は単に建物の集合体なのではなく、歴史や制度や文化を通して人間が共同でデザインしている産物だと思います。第一回として、デザインの技術や手法の前に、まずデザインの本質にふれるお話が聞けて非常によかったのと同時に、それぞれの立場で都市というこの大きなデザインの一端の責任を感じながら仕事をしていきたいと感じました。


<第2回以降のごあんない>
CITÉトークセッション
「デザインから大阪を見つめる。…都市デザインから生活用品まで」
・18:30〜20:30(18:00開場)
・トーク会場=i-spot<淀屋橋odona(オドナ)2階>
・ 定員30名(参加費無料、当日先着順により受付します)

第2回 (12月14日(月)) ゲスト:吉川博教氏(ワイエスデザイン取締役相談役、工業デザイナー)
●大阪のID(工業デザイン)「変革期の時代に柔軟に対応するデザイン発想」

第3回(2010年1月14日(木))ゲスト:巽 正和氏(元松下電器・電化事業本部デザイン部長)
●総合家電メーカーのデザイン発想「関西の生活文化の蓄積がものをいう」

第4回(2月1日(月))ゲスト:桑畑周右氏(京都精華大学非常勤講師、元ダイハツ・カーデザイナー)
●大阪マインドが生きる車づくり「独自のスモールカーデザインを求めて」

第5回(2月25日(木))ゲスト:板倉忠則氏(仮説創造研究所 クリエイティブディレクター)
●ストリート系デザイナーの仕事「街の呼吸を伝える・アメリカ村から大型商業施設まで」

●コーディネーター(毎回)=菅谷富夫氏(大阪市立近代美術館建設準備室 主任学芸員)
●このトークセッションの内容を冊子にまとめ、2010年3月、「CITE文庫」として発行する予定です。

●アクセス→i-spot(アイ・スポット…大阪市中央区今橋4-1-1淀屋橋odona2階) TEL:06-4866-6803
大阪市営地下鉄御堂筋線「淀屋橋」駅10番出口直結、京阪本線「淀屋橋」駅3番出口から徒歩1分
http://www.city.osaka.lg.jp/keikakuchosei/page/0000018184.html

●お問い合わせ:CITE(シテ)さろん広報委員会
           (財)大阪市都市工学情報センター(担当:北辻・浜田)TEL:06-6949-1910

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